~歴史都市カラコルムを再建し、持続可能な未来型都市へ〜
モンゴル政府は、 深刻な都市集中と環境問題に直面する首都ウランバートルに代わる新たな都市の建設を目指し、「新都市構想」を本格的に推進しています。
ウランバートルの現状と歴史
現在のウランバートルには、モンゴルの人口の約50%、 国内総生産(GDP)の66%、 大学の96%が集中しており、 医療や教育の中心地である一方で、 交通渋滞、環境汚染、災害 リスクの増大など、 都市機能への過重な負荷が顕在化しています。 こうした過度な一極集 中を是正することが、 新都市建設の大きな目的の一つです。
この新都市構想の候補地に選ばれているのが、かつてモンゴル帝国の中心地として栄えた歴史都市カラコルムです。 13世紀にはチンギス・ハーンの後継者オゴタイ・ハーンにより建設され、 東西交易の拠点として繁栄しました。 現在も多くの遺跡が残されており、 文化遺産として高い価値を持つこの地は、 歴史と未来が交差する都市再生の象徴として注目されています。
再建が予定されているカラコルム市は、ウランバートルから約220キロメートル離れた場所に位置し、開発面積はおよそ1,000平方キロメートルに及ぶ計画です。
この構想は、2022年12月20日に公布された 「カラコルム市の再建に関する大統領令第 230号」により、国家プロジェクトとして正式に始動しました。
カラコルム再建プロジェクトについて
「カラコルム再建プロジェクト」は、地方と首都機能のバランスを見直し、環境に配慮した都市設計を通じて、 雇用創出、 生活環境の向上、 人と自然の共生を実現する、持続可能な都市づくりを目指しています。 また、 過度な首都集中を緩和することで、モンゴル全体の健全な成長に貢献することが期待されています。
当会では、モンゴルの未来を形づくるこの新都市構想に注目し、日本とモンゴルの経済・ 文化交流の一環として、今後も関連情報の発信と関係機関との連携に取り組んでまいります。