日本とモンゴルをつなぐビジネスの最前線|日本モンゴル経済同友会の取り組み

― 経済連携・ビジネスマッチング・投資機会を実務で支援する中核的な役割とは ―

日本とモンゴルの経済連携は、今後さらなる発展が期待される分野として注目を集めています。両国それぞれの強みを活かしたビジネス機会が広がる中、その可能性を具体的な案件へとつなげていく取り組みが重要となっています。

こうした流れの中で、日本モンゴル経済同友会は、企業ニーズの把握からパートナーの選定、商談、そして事業実行に至るまで、一貫した支援を行う実務型のハブとして活動しています。

本記事では、同会の設立背景や現在の取り組み、そして日本とモンゴルのビジネスの可能性について、理事長・藤本和久氏へのインタビューを通じてご紹介します。

 

日本モンゴル経済同友会 設立の背景

  1. 日本モンゴル経済同友会は、どのような課題意識から設立されたのでしょうか?

日本とモンゴルの関係は長年にわたり良好ですが、実際のビジネスにおいては「関心はあるが具体化しない」という状況が続いていました。

その最大の理由は、
・信頼できる現地パートナーが見つからない
・商習慣や制度の違いが分かりにくい
・実務レベルで伴走する存在がいない

という点にありました。

そこで私たちは、「単なる交流団体ではなく、実務で成果を出すハブ」を目指し、日本モンゴル経済同友会を設立しました。


Q. 設立前、日本とモンゴルのビジネスにおいてどのような課題やギャップがありましたか?

課題やギャップは主に3つあります。

1つ目は情報の非対称性です。
日本側はモンゴル市場の実態が見えず、モンゴル側は日本企業の意思決定プロセス(モンゴルからの問合せに対して個人判断で対応しない)を理解していませんでした。

2つ目は信頼構築の難しさです。
紹介ベースのビジネスが中心で、体系的なマッチングの仕組みが不足していました。

3つ目は実行フェーズの弱さです。
商談までは進んでも、契約・物流・資金決済まで伴走する機能が不足していました。

 

現在の活動とビジネスマッチングの仕組み

  1. 現在どのような活動を行っていますか?

主に以下の3つの活動を行っています。
① 企業ニーズの収集(アンケート・ヒアリング)
② 適切なパートナーの選定・マッチング
③ 商談から実行までの伴走支援

具体的な流れとしては、
・企業のニーズを詳細にヒアリング
・両国で候補企業を選定
・事前に条件整理を行ったうえで商談設定
・契約・物流・資金面までサポート

という形で、単なる紹介に留まらず「案件化」を重視しています。

  1. アンケートはどのような目的で実施され、どのような企業ニーズが見えてきましたか?

アンケートの目的は、「潜在ニーズの可視化」と「精度の高いマッチング」です。

これまでの結果から見えてきた主な課題は、
「言語の壁」「意思決定プロセスの違い」「情報不足」です。

一方でニーズは、
・モンゴル産品の輸出
・技術提携(製造・インフラ関連)
・投資・資金調達
・人材交流・教育

特にモンゴル企業側からは、「信頼できる日本企業との長期的パートナーシップ」を求める声が非常に強いと感じています。


■日本モンゴル経済同友会の強みと差別化

  1. 他の経済団体と比べた際の違いと、本会ならではの価値は何でしょうか?

最大の違いは、「実務にコミットしている点」です。

多くの団体が交流や情報提供を中心としている中で、私たちは幅広い分野で
・案件化
・契約締結
・事業実行
まで関与します。

また、日本とモンゴル双方にネットワークを持ち、両国のビジネス文化を理解した上で調整できる点も大きな強みです。

  1. 実際に案件化につながった事例や成果があれば教えてください。

まだ成果として公表できる案件はありませんが、日本からの資金調達や複数の会員企業へのアドバイザリーサービスなどが始まっています。


■モンゴル企業にとってのメリット

  1. モンゴル企業がメンバーになることで得られる具体的なメリットを教えてください。

主に2つあります。
1つ目は、信頼できる日本企業へのアクセス
2つ目は、商談から契約までの実務支援

単なる紹介ではなく、日本企業とモンゴル企業双方の立場に立って調整を行い、「実際にビジネスを成立させるための環境」を整える支援が得られます。

  1. どのような企業に特に参加をおすすめしたいですか?

1)日本製品の輸入を拡大したい企業
2)技術提携を求めている企業
3)中長期的なパートナーを探している企業

特に「単発ではなく継続的なビジネス」を志向する企業に適しています。


■日本企業にとってのビジネス機会

  1. 日本企業が参加することで、どのようなビジネス機会が生まれていますか?

モンゴル市場はまだ競争が激しくない分、
・早期参入によるポジション確立
・高品質商品の差別化
・長期契約の構築

といった機会があります。

また、現地パートナーとの関係構築を当会が支援することで、参入リスクを大きく下げることが可能です。

  1. なぜ今、日本企業がモンゴルに注目すべきなのでしょうか?

現在のモンゴルは、40~50年前の欧米や日本における企業経営と同様に、企業のオーナーが規模の拡大と利益だけを求める傾向にあります。一人当たりGDPは約7,000米ドルで世界の中でも中の上、一方「腐敗指数」は世界182カ国中で124位と、経済の成長と共に腐敗が進んでいるのが実態です。これが日本企業におけるモンゴルへの参入リスクの一因となっています。ただし、「腐敗」を良しとしない経営者も増えてきています。

モンゴルにおいては、日本の商品、日本人への信頼度が非常に高いです。ESGを重視した企業経営と社会を実現していくためには、モンゴル人から信頼されている日本人・日本企業が積極的に関与していく必要があると考えています。

日本企業から見たモンゴル市場は、他の諸外国と比べて市場規模が小さいかもしれませんが、モンゴルの経済発展に寄与できるのは日本の知恵や技術であると考えています。特に「信頼」がビジネスに直結する市場であるため、日本企業にとって非常に相性が良いといえます。


■今後の展望とJapan Festivalの位置づけ

  1. 今後どのような展開を目指していますか?

今後は、単発のマッチングにとどまらず、「継続的に案件が生まれる仕組みの構築」を目指しています。

Japan Festivalについては、
・日本企業のブランド発信
・モンゴル企業との接点創出
・一般消費者への認知拡大

を担う重要なイベントとして位置づけています。


■日本×モンゴルビジネスの将来性

  1. 今後期待される分野について教えてください。

特に有望な分野は、
・都市開発、インフラ
・高機能・省エネ部材
・医療・保険分野
・日本の食品・日用品
・モンゴル産品の輸出(農牧)
・教育・人材

です。

平均年齢の若いモンゴルの成長性と、日本の技術・品質が組み合わさることで、相互補完的な関係が構築できると考えます。


■日本とのビジネスを始めるために

  1. 日本とのビジネスに関心を持つ企業が、最初の一歩として取るべきアクションは何でしょうか?

まずは「具体的なニーズを明確にすること」です。

その上で、信頼できるパートナーや団体を通じて、
・正確な情報収集
・小規模な取引からのスタート

を行うことをおすすめします。

当会としても、初期段階から実務レベルでサポートしていますので、ぜひ気軽にご相談いただければと思います。

今後も、日本とモンゴルをつなぐ実務的な取り組みを通じて、両国の持続的なビジネス発展に貢献してまいります。